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知ったかぶりして治療の邪魔をしないでほしい。

2012.4.27 カテゴリー|その他の治療について

約1年前に右股関節痛のため歩くのが困難になった80歳代の女性が受診しました。変形性股関節症に伴う筋筋膜性疼痛症候群と診断し、股関節周囲のトリガーポイントにトリガーポイント注射を週1回ずつ10回ほど行ったところ、症状が改善し杖で歩けるようになりました。

 

ところが、親戚の人に「痛み止めの注射をすると、歩けなくなる」と言われて、不安になり治療を中断してしまいました。
その後痛みが再発し、徐々に歩けなくなっていきました。しかし、「注射をすると歩けなくなる」と思い込んでいるので、家族がいくら説得しても当院を受診しませんでした。

 

いよいよ痛みがひどくて我慢できなくなり、昨日、当院を受診しました。トリガーポイント注射を行ったところ、痛みは劇的に改善して、また杖で歩けるようになりました。しかし、もう少し治療の再開が遅れていたら、本当に歩けなくなってしまう可能性もありました。

 

歩けなくなるのが怖くて、治療を受けなかったら、そのせいで歩けなくなってしまうところだったのです。笑い話にもなりません。医学の勉強をしたわけでもないのに、知ったかぶりをして医療についてアドバイスするのは、それが親切からきている行為だとしても、やるべきではありません。もし、そのアドバイスのせいで患者さんの状態が悪化した場合、どのように責任をとるのでしょう。

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