2012.8.31 カテゴリー|その他の治療について
今週も「ふれラジいばらき金曜日」にメッセージを送りました。
メッセージテーマは「〇〇にひとこと言いたい」でした。
ラジオネーム ぼりぼりぼりいいいいいいいいいいい
今さん 梅島さん こんにちは
僕は整形外科の開業医です。
整形外科医の立場として、皆さんにひとこと言いたい。
「手や足を切って、出血したときに、止血のために、心臓に近い部分を強く縛る方法は、間違いで、かえって出血をひどくすので、やらないでください」
止血のために、キズより心臓に近い部分を縛ると、静脈だけ止めて、動脈は止められないので、ほとんどの場合、出血がひどくなります。
そこで、動脈も止めるほど、さらにきつく縛ると、今度は、神経や筋肉などの重要な臓器が死んでしまいます。
そのあと、縛った部分を開放するときに、死んだ筋肉から、ミオグロビンやカリウムなどの物質が一気に流れ込み、心臓が止まったり、腎臓がダメになったりする場合もあります。
怪我をして出血しているときの正しい止血方法は、出血している部位をタオルなどで直接圧迫して、心臓より高くすることです。
この方法で、ほとんどの出血は止まります。
と、たまには真面目なメッセージを送ってみました。
2012.8.28 カテゴリー|湿潤療法
10歳の少女
おばあちゃんの家に遊びに行っていて、きゅうすをひっくり返してしまい、右太ももの前面部に大きな火傷を負ってしまいました。
救急病院で、応急処置を受け、翌日、家の近くの総合病院の皮膚科を受診して、軟膏とガーゼによる治療を受けました。
しかし、お母さんが、湿潤療法について既に知っていて、この治療ではダメだと判断し、ネットで調べて、当院を受診しました。
上の写真が、初診時の水泡膜を除去した後の写真です。
穴あきポリ袋とペットシートによる湿潤療法のやり方をお母さんに覚えてもらい、自宅で処置をしてもらいました。
10日後には、きれいに皮膚が出来ました。
あとは、ワセリンを塗ってもらって、皮膚の乾燥を防ぎ、かつ日焼けをしないように注意してもらえば、ほとんどあとが残らずに治ると思います。
2012.8.27 カテゴリー|トリガーポイント注射
30代の男性です。
6年前から左下肢の痺れが出現、その後、右下肢にも痺れが出現しました。某病院の整形外科を受診し、腰椎のMRIを撮りましたが、特に異常を認めず、「梨状筋症候群」ではないかと診断されました。
梨状筋症候群とは、坐骨神経が、臀部の深いところにある梨状筋という筋肉に圧迫されてしびれや痛みが出る疾患です。http://seitailabo.com/chapter1/pain/pain215.html
内服薬などで治療を受けていましたが、症状が改善ないため、3年半前に、某総合病院で、「梨状筋開放術」という手術を受けました。(両臀部に20㎝位の切開を加え、筋肉をよけて、梨状筋を切離して、坐骨神経の圧迫を除去する手術です。)
しかし、痛みもしびれはほとんど変わりませんでした。
インターネットで筋筋膜性疼痛症候群(MPS)http://www.jmps.jp/general/whatsmps について調べて、自分でトリガーポイントを見つけて、2年前に当院を受診しました。
1回のトリガーポイント注射で、痛みとしびれが3分の1まで減りました。
その後も月に2回程度、トリガーポイント注射を続けていて、現在は痺れはほとんどなく、臀部の痛みも、最初の10分の1くらいになっています。
僕は「梨状筋症候群」という病気は、この世に存在しないのではないかと思っています。MPSという疾患があることを知らない医師が、中臀筋や梨状筋のMPSを「梨状筋症候群」と診断しているのだろうと思います。
2012.8.24 カテゴリー|その他
今週も「ふれラジいばらき金曜日」にメッセージを送りました。
メッセージテーマは「ください ちょうだい くれ ほしいよ」でした。
ラジオネーム ぼりぼりぼりいいいいいいいいいいいいい
今さん、梅島さん、こんにちは
僕は一口馬主というのをやってます。
一口馬主とは、数千万円する競走馬を、500人で少しずつお金を出し合って共同所有する制度です。
その一口馬主の所有馬ロードクラヴィウスが、先日2歳新馬戦で見事に勝利しました。
次走は、出世レースの「札幌2歳ステークス」の予定です。
これに勝てば、念願のダービー制覇の可能性が出てきます。
なんとしても「勝ってください!勝ってちょうだい!勝ってくれ!勝ってほしいよ!」
2012.8.24 カテゴリー|トリガーポイント注射
常総市にお住いの38歳の男性です。
20歳の時に腰部椎間板ヘルニアの手術を受けています。
2か月前から左臀部~左大腿内側および前面~左膝~左下腿内側にかけての激痛としびれが出現しました。
病院で、L4/5の外側型ヘルニアと診断され、硬膜外ブロックや神経根ブロックを受けましたが、症状が改善しないどころか、徐々に悪化していきました。
インターネットでMPS(筋筋膜性疼痛症候群)を知り、自分に当てはまると思い、8月11日に、三郷市の「たけうちクリニック」http://www.misato-takeuchi-clinic.com/ を受診しました。そこでMPSと診断され、トリガーポイント注射を受けました。8月12日にはたまたま「たけうちクリニック」に来ていたトリガーポイント注射の第一人者「加茂整形外科」http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/ の加茂淳先生にもトリガーポイント注射をしてもらいました。
加茂先生にトリガーポイント注射を受けた後は、一時的に良くなりましたが、また痛みがひどくなったため、8月17日に当院を受診しました。初診時は痛みのため、歩行が出来ず、歩行器に寄りかかってやっと歩ける状態でした。触診の結果、上図のように11か所のトリガーポイントを認めました。
トリガーポイント注射を連日で行いました。その結果、痛みとしびれがかなり改善して、3回目以降は、普通に歩行できるようになりました。
この患者さんにトリガーポイント注射が効果的だった理由の一つに、患者さん自身がネットで良く勉強していて、MPSについて正しく理解していたことが、あげられます。痛みには、「この痛みが一生続くのではないか?」や「何か悪い病気なのではないか?」などの「不安」や「恐怖」が付きまといます。この不安や恐怖が、痛みをより悪化させます。(痛みの悪循環)
この患者さんは、MPSについて正しく理解し、「トリガーポイント注射をすればよくなる」と信じることで、痛みの悪循環を止めることができたのです。