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首で神経が圧迫されてしびれているという説明は、矛盾している

2013.6.28 カテゴリー|トリガーポイント注射

30代女性

 

半年前に、体操をしていて、背中がグキッとなってから、左首から背中の痛みと、左手の痺れが出現しました。

2週間様子をみても、症状が改善しないため、当院を受診しました。

触診の結果、左棘下筋にトリガーポイントを認めました。

「体操した時に、背中の筋肉を痛めてしまい、それが治らないので、痛みやしびれが出ています。痛めた筋肉にトリガーポイント注射という注射をすれば、早く良くなりますよ。」

と説明しましたが、注射を希望しなかったため、ハイペン(痛み止め)とノイロビタン(ビタミンB)を処方して、

「お薬で痛みがとれなかったら注射を打ちに来てください」と説明して、帰しました。

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しかし、薬を飲んでも、痛みがとれなかったため、当院ではなく某総合病院の整形外科を受診しました。

そこでMRIを行い、脊柱管狭窄症と診断されました。

「首の骨や軟骨が変形して神経を圧迫していることによる痛みとしびれです。手術するほどではないので薬で様子を見ましょう。」

と言われ、数週間で痛みはとれたそうです。

 

患者さん本人は、私の説明より某病院の整形外科医の説明のほうが納得がいったようです。

確かに、「筋肉が原因でしびれる」と説明されるより「神経が圧迫されてしびれる」と説明されたほうが理解しやすいとは思います。

 

しかし「神経が圧迫されてしびれる」という説明には矛盾がたくさんあります。

 

ひとつは、神経が骨や軟骨で物理的に圧迫されているせいでしびれているなら、その圧迫を手術などで物理的に取り除かなければ治らないはずです。

しかし、実際には手術することなく症状が改善しています。

 

また、この患者さんは体操をしてギクッとなってから痛みとしびれが出ています。体操くらいの軽い負荷で骨や軟骨が急に変形して神経を圧迫したというのでしょうか?

ちょっとありえないですよね。

 

さらに、神経の圧迫されているなら、手根管症候群や肘部管症候群などの他の絞扼性神経障害と同様に、痛みではなく運動麻痺と知覚麻痺が出るはずです。

しかし、この患者さんには痛みがあり、運動麻痺や知覚麻痺はありませんでした。

 

例えば、重い鞄をずっと持っていると、腕がしびれてきます。

これは筋肉が原因のしびれです。

この患者さんは体操の時に棘下筋を痛めてしまったために左手にしびれが出たのです。

だから、薬を飲んだだけで手術をしなくても自然と治ったのです。

 

首の骨や軟骨が変形して神経を圧迫してしびれいるという説明は、矛盾だらけなのです。

 

(首で、脊髄神経そのものが圧迫されている場合は、両手両足に麻痺としびれが出ます。これは頸椎症性脊髄症という病気で、手術をしなければ治りません。)

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