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院長BLOG

笠間市薬剤師会でMPSについて講演してきました

2015.8.31 カテゴリー|その他

 8月27日にポレポレホールで開催された笠間市薬剤師会勉強会で、MPS(筋筋膜性疼痛症候群)についての講演をしてきました。

 MPSのついて簡単にわかりやすく説明して、トリガーポイントの見つけ方や、治療の仕方について話しました。ところどころで笑いも取れたので、おおむね好評だったようです。

 講演後に、講演を聞いていた製薬会社の営業担当者から「ぜひ、先生のこの話を若い先生方(医師)にも聞かせてもらいたい。」と言われましたが、医師相手に講演するのはちょっと怖いですね。だって、俺の話は適当だから「EBMはあるのか」とか「根拠になる論文はあるのか」とか難しいこと聞かれても、ちゃんと答えられないし。それよりなにより、現在信じられている損傷モデル(骨や軟骨の異常が原因で痛みが出るという説)と真逆の話ですから、頭が固い医師に受け入れられずにブーイングが出るのが目に見えているからね。

 薬剤師会の先生からは「ぜひ、市民公開講座などで一般市民に対して先生の話を聞かせてください」と言われました。まあ、こっちは市民が相手ですから、難しい質問をされたりブーイングを受けたりすることはないでしょうけど、話を聞いた市民が当院に押し寄せてきて、ゆっくり診察する時間が無くなっちゃうのもちょっと嫌だな。なんちゃって。

電気ケトルでやけどした8ヶ月の女の子

2015.8.24 カテゴリー|湿潤療法

 8ヶ月の女の子

 ハイハイをしていて電気ケトルをひっくり返して右手と右下腿をやけどしました。某総合病院でゲーベンクリームによる治療を受けた翌日、練馬光が丘病院の夏井先生の診察を受け、プラスモイストによる治療をしてもらい、当院に紹介されました。

 当院でも引き続き、プラスモイストやハイドロコロイドを使った湿潤療法を行いました。

 20日後には皮膚が再生されました。今のところ肥厚性瘢痕はありませんが、赤ちゃんの手のひらのやけどでは、指の屈曲拘縮になることが多いので、お母さんに指のマッサージをしてもらいながら、今後も経過をみていきます。

右手掌 受傷4日後

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受傷20日後

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右手背 受傷4日後

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受傷20日後

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右下肢受傷4日後

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受傷20日後

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掌蹠膿疱症も糞便移植で治るようになるかもね

2015.8.21 カテゴリー|ビオチン療法

今日は杏林大学医学部感染症講座教授 神谷茂先生の講演「腸内細菌と疾病」を聞いてきました。

とても面白かったので、ざっくり要点をまとめてみます。

1・200平方メートルという広大な表面積を有する腸管には500~1000種類、数にして100兆個以上の膨大な数の腸内細菌が棲息し、腸内フローラを形成している。

2・腸内フローラは宿主(人間)と共生するとともに、宿主生態や病原微生物へ様々な作用をもたらす。

3・近年、腸内フローラをゲノム解析できるようになった。

4・124人を対象としたゲノム解析で、約330万個の腸内細菌遺伝子が同定された(ヒトの遺伝子数2.6万個)

5・124名に共通していた遺伝子は約38%に過ぎず、124名全員に存在した最近は18種類しかなかった。

6・このことから、腸内フローラは個人によって大きく異なることがわかる。

7・近親者でも、腸内フローラは似ていない

8・食生活が同じだと、腸内フローラは似ている

9・肥満、自閉症、アトピー性皮膚炎、動脈硬化なども腸内フローラと関連性があることが報告されている。

10・偽膜性腸炎の患者に、抗生剤を投与してから健常者の糞便を移植すると9割くらいの人が治る。(抗生剤とプラセボでは3割程度)

11・数年以内に、腸内フローラの解析を誰でも受けられるようになる


 面白くてためになる講演でした。

 この話から想像するに、掌蹠膿疱症の患者さんでは腸内フローラ内の酪酸菌が少なくなっていると思われます。腸内フローラの解析が誰でもできるようになったら、患者さんの腸内フローラを調べてみたいですね。そうすると、治りが悪い人と良い人の違いが分かるかもしれません。

 掌蹠膿疱症の患者さんの腸内フローラが健常者と違うとしたら、偽膜性腸炎と同様に、抗生剤を飲んでから健常者の糞便移植をすれば、掌蹠膿疱症が治る可能性があるんじゃないでしょうか。

お問い合わせフォームの不具合が直りました

2015.8.21 カテゴリー|その他

ここ1ヶ月くらい、お問い合わせフォームからメールが送れない不具合があったようです。

本日、直してもらいました。

https://nishibori-seikei.sakura.ne.jp/inquiry/

ご迷惑をおかけいたしました。

若い医者は、妙に自信満々で、ホントすみません

2015.8.04 カテゴリー|その他

 昨日のブログで紹介した女の子のお母さんの話

https://nishibori-seikei.com/blog/2015/08/post-530.html

 最初に受診した救急病院の若い医師の対応と説明に対して憤慨していました。

お母さん「すごく痛がっているので骨折じゃないですか?」

若い医師「子供は骨折しない」

お母さん「じゃあ、肉離れとかじゃないですか」

若い医師「肉離れなんて存在しない」

お母さん「・・・・・・・」

 

 いやいやいやいや、そんなことないから。

 子供の骨は柔らかいから折れやすいよ、不顕性骨折も多いから慎重に診察しないといけないよ。実際この女の子は骨折してたわけだしね。

 肉離れだってちゃんと存在するよ。実際に、陸上部の中学生とかソフトボールしているおじさんとかの肉離れにをトリガーポイント注射したりして治療してるし。

 

 憤慨しているお母さんに対して私が代わりに謝罪しました。

「私もそうでしたが、医師になって5年くらいすると、いろんなことが一人でできるようになるんで、妙に自信満々になっちゃうんですよね。ホントすみません。」

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