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外反母趾の原因は足の筋力低下

2015.12.01 カテゴリー|その他の治療について

 外反拇趾については、皆さんある程度知っているかと思います。足の親指(母趾)が外側に曲がってしまう女性に多い病気です。一般的にハイヒールなどの先端が細くなっている靴を履いている人がなると思われていますが、普段スニーカーをはいている人もなります。今回は外反拇趾の原因について解説します。
 
 人間の足には、縦と横にアーチがあり、歩くときは踵と親指の付け根と小指の付け根の3箇所にしか体重がかからないようになっています。この形が、人間が数100万年かけて獲得した二足歩行に最も適した形態なのです。この足のアーチを支えているのが足の骨の間にある小さな筋肉たちです。ところが、靴を履いて歩いていると、これらの筋肉を使わなくても歩けるため、しだいに筋力が低下し筋肉が萎縮していきます。その結果、足のアーチを支えることが出来なくなり、足が平べったく広がり、外反拇趾や内反扁平足、槌趾などの変形が出現します。変形すると本来体重がかからない部分にも体重がかかるため、魚の目が出来たり、巻爪になったりします。多くの足の病気がこれらの筋肉の筋力低下が原因であるといえます。
 
 女性の場合、元々男性より筋力が弱いため、筋力が低下しやすので、外反拇趾になりやすいのです。外反拇趾の予防のための装具やきついストッキングも、足の指の動きを固定してしまうため筋力低下の原因になります。足が変形すると足首の関節が外側に曲がります。それを補うために膝は内側に曲がり、さらに股関節や骨盤、腰の骨まで曲がってきます。足の中の筋肉は体にとって非常に重要なものなのです。
 
 スポーツをしている小中学生にも外反拇趾や内反扁平足がたくさんいます。スポーツをしていても靴やスパイクを履いていると、足の中の筋肉は使わないので変形してしまうのです。逆に裸足(はだし)で行う柔道や剣道をしている小中学生には足の変形はほとんどありません。足のアーチがなくなると、クッション性が失われるため、捻挫や疲労骨折などのスポーツ障害になりやすくなります。
 
 では、どうしたら足の中の筋肉の筋力低下を防いで、外反拇趾を予防できるでしょうか、一番いい方法は靴を履かずに裸足で生活することですが、実際には不可能です。代わりの方法として、足の指を自由に動かせるように五本指の靴下を履くこと、自宅ではなるべく裸足で過ごすことなどが上げられます。とにかく少しでも足の指を動かすことが大切なので、毎日お風呂上りに、足の指でグーパーを10回位するだけでも、効果があります。(足の指をなるべく大きく動かすことがポイントです。)小中学生の場合、部活の後のクールダウン時に裸足になってウォーキングやジョギングを5~10分くらい行うといいと思います。当院で行っている加圧トレーニングも、より効果的に筋力を強化することが出来るので外反拇趾の予防にお勧めです。
 
 足は一度変形してしまうと、元に戻らないので予防が大切です。足の指も体の大切な一部なので、可能な限り使うようにしましょう。
 

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