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院長BLOG

「ヘルニア=爆弾」という呪いの言葉

2018.2.16 カテゴリー|トリガーポイント注射

 50代後半の女性

 2週間前にお葬式に出てから両殿部と左下肢の痛みが出現して当院を受診しました。

 特に朝起きたときや寝返りをしたときが痛いそうです。

 

 10年前にも腰痛があり、別の整形外科を受診して、椎間板ヘルニアと診断されました。

 その際に医師から「腰にヘルニアがある。爆弾を抱えているようなものなので、今後も気をつけてください。」と言われたそうです。

 それで、そのヘルニア爆弾がまた爆発したのではと心配になり当院を受診したそうです。

 

 「ヘルニアは腰痛と無関係です。痛みの原因はおしりの筋肉のこりです。朝起きたときに痛むのは寝ている間に筋肉が固まるからです。」

 「ヘルニアがあるから爆弾を抱えているようなものだというのは、根拠のない呪いの言葉です。すぐに忘れてください。」

 「筋肉のこりが原因なので、こっている筋肉に注射してこりをほぐせば良くなります。」

 

 と説明して、下図の部位にトリガーポイント注射をして、リボトリールを処方しました。

17780.jpg

 しかし、「ヘルニアがあるから爆弾を抱えているようなものだ」というのは、今まで効いた中で一番ひどい呪いの言葉です。

 そんなこと言われたら、不安で不安で仕方ないでしょう。

 不安は痛みを悪化させ、希望は痛みを改善します。

 不安を与えるような呪いの言葉を唱えることは、医者が一番やっちゃいけないことだと思います。

食事と血中コレステロール値は無関係だよ

2018.2.15 カテゴリー|その他の治療について

前回のブログからの続き

https://nishibori-seikei.com/blog/2018/02/post-736.html

 

患者さん「私、肉が嫌いなんです。」

私「じゃあ、卵やチーズをたくさん食べてください。」
 
「私、コレステロール値が高いので卵もあまり食べられないんです。」
「いやいや、食事と血中コレステロールは無関係ですよ。コレステロールをたくさん摂っても血中コレステロールは増えません。」
「卵は1日1個までという常識は、時代遅れです。いまだにそんなこと言っている医者がいたら、相当勉強不足です。」
「そもそも血中コレステロールを下げる必要は・・・・」
とここまで言いかけてやめました。
 コレステロール値を気にして卵の摂取を控えていた人に、「血中コレステロールは下げる必要ない」なんて言ったら頭が混乱してしまうと思ったからです。
 
 食事と血中コレステロール値は無関係ですよ。
 ちゃんと日本動脈硬化学会公式サイトに載ってます。
http://www.j-athero.org/outline/guideline_lifestyle.html
 
 関連ブログ
 コレステロールは下げる必要ない
https://nishibori-seikei.com/blog/2015/02/post-479.html

カルシウムのサプリは骨粗鬆症に効かないし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを上げるよ

2018.2.15 カテゴリー|その他の治療について

 数年前から時々腰痛でトリガーポイント注射を受けていた50代の女性

 患者さんの希望で骨密度を測ったら軽い骨粗鬆症を認めました。

 私「まだ年齢も若いので薬は飲まないで食事や運動で様子をみましょう。」

 患者さん「でも、私、カルシウムのサプリメントも飲んでるし、牛乳もたくさん飲んでます。」

 「カルシウムのサプリリメントも牛乳も骨粗鬆症には全然効きませんよ。」

 「骨粗鬆症は、カルシウム不足が原因ではなく、加齢によりカルシウムを骨に変える働きが弱くなることが原因なので、たくさんカルシウムをとっても骨は強くなりません。」

 「カルシウムのサプリを飲むことで、脳梗塞や心筋梗塞、認知症のリスクが上がるという報告もあります。」

 「では、何を食べればいいんですか?」

 「肉です。骨はタンパク質の柱にカルシウムがくっついてできています。鉄筋コンクリートで言えば、タンパク質が鉄筋でカルシウムがコンクリートです。タンパク質の柱がなければ、カルシウムをとっても骨にはなりません。だから動物性のタンパク質を食べてください。」

 「私、肉が嫌いなんです。」

 「じゃあ、卵やチーズをたくさん食べてください。」

 

 ここで、話のテーマが変わるので次のブログに続きます。

 ちなみに、忙しいときはこんなに丁寧に説明しませんよ。

 平日の空いている時間だったし、常連さんで気心が知れているから日常会話的に説明をしただけです。

腰痛健診なんて意味ないよ

2018.2.14 カテゴリー|その他

 就職する前に「腰痛健診」を義務づけている事業所がけっこうありますが、腰痛健診なんて意味ないよ。

 そもそも痛みは、本人にしかわからないものなので、医者が診て客観的に評価することなど不可能です。

 健診を受ける人は、就職したいのだからもし腰痛があったとしても痛いとは言わないでしょう。

 嘘をつかれてもそれを見破ることはできません。

 たとえ、レントゲンやMRIを撮っても、それで腰痛の有無を評価することはできません。

 画像所見と痛みの強さが相関しないことはとっくに証明されているからです。

 

 腰痛健診は健康保険が使えないので、自己負担になります。

 当院では5,000円です。ちなみにレントゲンを撮ったら10,000円、MRIまで撮ったら50,000円くらいかかるでしょう。意味ないからやらないけどね。

 んで、この腰痛健診の費用を、ほとんどの事業所が本人に負担させています。

 仕事がなくて困っている人に、全く意味がない腰痛健診代を負担させるなんて、ひどすぎます。

 

 腰痛健診なんて意味ないからやめたらいいのにと思ってググったら、厚生労働省が推進しているみたいです。

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html

 なんだかなぁ。

 東大を出ている優秀な人たちが、痛みを客観的に評価することは不可能という当たり前のことになんで気がつかないんだろうね。

プロアスリートなのにタバコを吸っている時点でダメじゃね

2018.2.07 カテゴリー|タバコの害について

西武 喫煙発覚の19歳今井に厳罰 対外試合出場禁止、ユニ着用も認めず

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180207-00000038-spnannex-base

西武は6日、未成年の今井達也投手(19)が喫煙したため厳重注意し、7日から対外試合出場停止処分にしたと発表した。


 今回、今井投手は未成年なのに喫煙したから処分されましたが、そもそもプロアスリートなのに喫煙しているとか馬鹿杉じゃね。

 喫煙が身体能力に及ぼす影響として

 ① 心肺機能の低下

 ② 集中力の低下

 ③ 筋力・瞬発力の低下

 ④ 腰痛などの怪我の発症リスクの上昇

 ⑤ 回復力の低下

 などが上げられます。

 つまり、タバコを吸うと競技能力が低下して、選手生命が短くなります。

 タバコを吸ったことで、今まで積み上げてきた努力も、今後もらえるはずだった何十億という年棒もパーになってしまう可能性が高くなるのです。

 そんなこともわからないのは、いくら何でも馬鹿杉ます。

 

 同じ西武で活躍した清原選手は、巨人軍に移籍してから怪我とパフォーマンスの低下に苦しみました。

 私はその原因のひとつがタバコだと思っています。

 清原選手はそのまま、若い頃の輝きを取り戻すことができずに引退して、ニコチン依存症から最後は薬物依存症になっちゃいました。

 

 今井選手も、ここですぱっと禁煙して長く活躍できる選手になって欲しいです。

 

 というか、高い年棒を払っている選手がタバコのせいで活躍できなかったら球団が大損するんだから、球団で喫煙を禁止するとか、喫煙者とは契約しないとかするべきだと思うよ。

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