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外反母趾を手術をしないで治す(包帯療法)

2019.5.31 カテゴリー|その他の治療について

 外反拇趾(がいはんぼし)という病気をご存知でしょうか?足の親指が付け根のところで外側に曲がってきてしまう女性に多い病気です。一般的に外反拇趾は手術しないと治らないと思われています。

 ところが、この外反拇趾を手術しないで治す治療法を、日本大学医学部整形外科の青木孝文先生が編み出しました。しかもこの治療法は、足の甲に伸縮包帯を巻くだけなので、誰にでも簡単に出来るのです。

 包帯療法のやり方について説明します。(以下に説明する方法は私なりの工夫が加えられているので、青木先生のオリジナルの方法が知りたい方は青木先生の著書をお読みください。)

 まず足の甲に包帯を巻きます。幅7.5cmの伸縮包帯を用意して、足の親指のつけ根の関節と小指の付け根の関節のところを引き締めるように包帯を巻きます。我慢できる範囲で強めに、甲全体をくるむように5~6回巻いてしっかりとめます。包帯を巻くのは寝ている間だけでもかまいませんが、日中もわずらわしくなければ巻いていていいです。

 足の裏の筋力を強化するために。足の指のグーパー体操をお風呂の中で10回行ってもらいます。このとき、指の付け根の関節(MP関節)を深くしっかり曲げることがポイントです。

 この包帯療法を続けると、2週間くらいで外反拇趾に伴う痛みが楽になってきます。数ヶ月続けると、変形もだんだん良くなっていきます。包帯を巻く強さは、弱くては効果がなく、強すぎては痛くて眠れなくなってしまいます。何度も巻いてみて、適切な強さを自分で見つけることが大切です。簡単で特に体に害も無い方法なので手術を受ける前に試してみる価値があると思います。

 人間の足には、縦と横にアーチがあり、歩くときは踵と親指の付け根と小指の付け根の3箇所にしか体重がかからないようになっています。この形が、人間が数100万年かけて獲得した二足歩行に最も適した形態なのです。この足のアーチを支えているのが足の骨の間にある小さな筋肉たちです。

 ところが、靴を履いて歩いていると、これらの筋肉を使わなくても歩けるため、しだいに筋力が低下し筋肉が伸びきってしまいます。伸びきった筋肉は血の巡りが悪くなり、さらに筋力が低下する悪循環になります。その結果、足のアーチを支えることが出来なくなり、足が平べったく広がり、外反拇趾になります。

 包帯療法で圧迫すると足の横アーチが元に戻り、足の筋肉も元の長さに戻すことにより、筋肉の血の巡りが良くなるので、外反拇趾が良くなっていくのではないかと考えています。外反拇趾でお悩みの方は是非お試しください。わからないことがあれば、診察を受けてください。

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