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熱傷に「でんぷん」をかけるように言われた少女

2012.8.20 カテゴリー|湿潤療法

 13歳の少女

 バイクの後ろに乗っていて、マフラーに触ってしまい、左ふくらはぎをヤケドしました。

 近くの皮膚科を受診し、軟膏による治療を受けていましたが、浸出液が多いので乾燥させるために、熱傷に「でんぷん」をかけるようにと言われました。

 「でんぷん」をかけると、ものすごく痛いため、母親がインターネットで調べて、当院を受診しました。

 上の写真は、ガーゼを剥がした直後の写真です。熱傷の表面に「でんぷん」がこびりついています。

 キシロカインゼリーで表面麻酔をしてから、「でんぷん」を可能な限り除去しました。

H24.08.10 初診時1.jpg

 穴あきポリ袋とペットシートによる処置を自宅でしてもらいました。

 3日後には、熱傷はかなりきれいになりました。しかし、痛みはまだ残っていました。おそらく、「でんぷん」をかけていた時の痛みがあまりにもひどかったため、痛みが皮膚に焼き付いてしまったのでしょう。

H24.08.13 3日後.jpg

 途中、浸出液が減ったためハイドロコロイドに切り替えました。

 10日後には、ほぼきれいに上皮化しました。痛みも消えました。

H24.08.20 熱傷.jpg

 以前にこのブログで紹介しましたが、強い痛みを我慢していると「痛みの悪循環」という現象がおきます。https://nishibori-seikei.com/blog/2012/03/post-23.html

  熱傷の治療も、可能な限り痛くないように治療するのが、痛みを残さないために最も重要です。

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