HOME > 院長BLOG > 米国のトランス脂肪酸の規制について

院長BLOG

米国のトランス脂肪酸の規制について

2015.6.26 カテゴリー|糖質制限

 今月、米国のFDAがトランス脂肪酸の使用を禁止したというニュースが流れてきました。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0800L_Y3A101C1CR0000/

 このニュースを知って、「こりゃ大変だ!日本もすぐに規制になくちゃダメじゃん!」と考え、その旨をこのブログに書こうかと思っていましたが、忙しくて書く暇がなくすごしていたら、今日こんな記事を読みました。

 科学ジャーナリストによる米国と日本のトランス脂肪酸摂取事情についての詳細な記事です。すごく勉強になりました。

http://blogos.com/article/118823/?p=1

要点をまとめます。

1.FDAが規制したのは全てのトランス脂肪酸ではなく、トランス脂肪酸の主要な摂取源であるPHOsという物質である。

2.PHOsは心臓疾患の原因となることがわかっている

3.米国の死因1位は心疾患である

4.WHOはトランス脂肪酸の摂取量を総カロリーの1%未満にするように勧告している

5.米国のトランス脂肪酸摂取量は2003年時点で2.6%もあった

6.2010年時点では0.6%まで減ったが、摂取量が多い上位10%の人は1.2%もある

7.米国ではPHOsの規制により数千人の命が救われる可能性がある

8.日本のトランス脂肪酸摂取量は2012年時点で0.31%(PHOsは0.12%)

9.摂取量の多い上位5%でも0.73%しかない

10.日本は元々摂取量がかなり低いので、トランス脂肪酸を規制しても大きな効果が得られない

11.それより高血圧や高脂血症、糖尿病の予防に予算を使った方が大きな効果が得られる


 そんなわけで、日本ではトランス脂肪酸の規制はあまり必要ないようです。(見当違いなことブログに書かなくて良かった)

 アメリカ人に心疾患が多い理由は、トランス脂肪酸のとりすぎもあると思うけど、それより糖質のとりすぎだよね。あんなに太ってたら心臓の血管も詰まるって。

 糖質制限すれば、心疾患だけじゃなく、高血圧も高脂血症も糖尿病も予防できるからね。

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ