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いきなり大病院に行っちゃダメだよ

2015.9.03 カテゴリー|トリガーポイント注射

 60代の女性

 右膝がすごく痛くなって歩けなくなったので、某総合病院の整形外科を受診しました。そこで若い医師の診察を受け、

「レントゲンとMRIで軟骨が減っているといるから、関節鏡の手術をやって、それでも痛みが取れなければ人工関節全置換術をやらなければ治らない。」

 といわれました。そして、痛み止めの飲み薬どころか、湿布すら出してもらえなかったそうです。せめて痛み止めの飲み薬を出してほしいと頼んだら、

「痛み止めを2,3年も飲むと副作用が出るから出せない」

 といわれました。仕方がないので1週間、安静にして様子をみていましたが、痛みは全くとれなかったので、再診した際に、何とか痛みだけとる方法はないかと聞いたら、

「痛みは年が若くならない限りよくならない」

 といわれたそうです。

 1ヶ月ほど通院しましたが痛みはひどくなる一方だったので、当院を受診しました。

 初診時は右股関節から膝の痛みのため、歩行器がなければ歩けない状態でした。下図の位置にトリガーポイントを認めました。

331.jpg

 

 トリガーポイント注射をして、痛み止めの飲み薬と湿布を処方しました

 1回目の注射で膝周囲の痛みはだいぶ取れて、歩行器なしで歩けるようになりました。近所の方だったので毎日に注射に通ってもらって、2週間後には、すたすた歩けるようになるまで回復しました。

 

 しかし、某総合病院の若い先生、歩けないほど痛がっている患者さんに痛み止めも出さないって、いったい何なんでしょうね。

 整形外科は痛みの治療のプロフェッショナルのはずですが、この若い医師は痛みの生理学についての勉強が不足しています。痛みは骨や軟骨の変形が原因だから、手術してそれを治さなければ治らない、痛み止めなんか飲んでも無駄だと思っているのかもしれません。

 まさか、痛みの生理学についてちゃんと知っているけど、手術がやりたいがために、あえて治療しなかったなんてことはないと思いますが・・・・

 

 紹介状もなくいきなり大病院に行くと、こういう経験不足の若い医師の診察を受けることになります。

 開業医のほとんどは、病院で部長や副部長を経験したベテラン医師です。診断と治療に関して若い医師より圧倒的に上手です。死ぬほどが具合が悪いとき以外はまず開業医を受診しましょう。いきなり大病院に行っちゃダメだよ。

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