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なんで腰痛の人だけ仕事を休むんだろう

2016.3.03 カテゴリー|その他の治療について

 何で腰痛の人だけ仕事を休むのだろう。

 慢性疼痛は腰痛だけじゃなく、肩こり、五十肩、テニス肘、膝痛といろいろありますよね。

 でも、肩こりや五十肩で仕事を休む人はいませんよね。

 もちろん、肩こりや五十肩でももの凄く痛いときは仕事を休む人もいるでしょうが、そんな人も痛みが落ち着いたらすぐに仕事に戻りますよね。

 ところが、腰痛に関しては、痛みが落ち着いてきても、いつまでも仕事を休む人がいます。

 また、「腰痛が完全に治るまで休め」というむちゃくちゃな命令をしてくる会社もあります。

 なぜなのでしょう。

 

 これは、「腰痛には安静が必要」という、古いまちがった常識がいまだに世間にはびこっているからです。

 ではなぜ「腰痛には安静が必要」という、まちがった常識ができあがったのでしょうか。

 

 私は毎日、朝の連続ドラマ「あさが来た」を録画して楽しみに見ています。

 その中で主人公のあさ(波瑠)のお姉ちゃんのはつ(宮﨑あおい)の義母(萬田久子)が腰の骨を折って寝込んでしまうシーンがありました。

 おそらく腰椎圧迫骨折でしょう。

 現在でも圧迫骨折の治療は骨がくっつくまでなるべく安静にするしかありません。

 (テリボンを打つと早く骨がくっついて、安静期間を短くできます。)

 あの当時(明治時代)にはレントゲンもなかったので、圧迫骨折とぎっくり腰の区別をつけることが困難だったと思います。

 どっちかわからなければ、動けるようになるまで安静にするしかありません。

 

 その結果、腰痛は安静にしないと治らないという、古いまちがった常識ができあがったのでしょう。

 でも、今は平成ですかね。医学は日々進歩しています。

 明治時代の常識にとらわれていてはダメですよ。

 

 ちなみにドラマの中では寝たきりになったはつの義母は、そのまま死んじゃいました。

 現在でも、寝たきりになるとそのまま死んじゃうことがあります。

 なので、圧迫骨折になったらテリボンを打って、なるべく早く骨をくっつけて、なるべく早く動けるようにした方がいいですよ。

腰痛で仕事を休み必要はありません

2016.3.02 カテゴリー|トリガーポイント注射

 1997年にオーストラリアのビクトリア州で「腰痛に屈するな」という大キャンペーンが行われました。

 詳しい内容はこちらを参照してください

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_19.htm

 上のサイトは専門的すぎるので簡単にまとめてあるサイトもご覧ください

http://cavalleria.info/dtild.html

 そこで訴えかけた内容は、

 
「 安静にしないで! 日常生活を続けて! 仕事を休まないで! 」
= つまり、エビデンスに基づいた、新しい腰痛の考え方です。
 
一般の市民に対しては、
 
 ★ 腰痛があっても、安静にはしないようにしよう。
 ★ 腰痛があっても、活動的に、毎日の生活や仕事を続けよう。
 
また、医師に対しては、
 
 ★ 腰痛を、過度に医療対象にすることは、やめよう。
 ★ 不必要な検査や治療は、やめよう。
 
こういう主張を、大々的にキャンペーンして、広く訴えかけたのです。
 
さて、そのキャンペーンの結果は、どうだったのでしょう。
 
・ 腰痛による欠勤日数が、減少した。
・ 労災申請件数が、15%減少した。
・ 医療費が、20%も削減した。
・ その経済効果は、33億円超にのぼった。
  (住民の欠勤日数の減少分は含まず)
 
 
何とも、すごい効果があるものですね。

 

 この結果を元に私が強調したいのは「仕事を休まないで!」の部分です。

 腰痛は仕事を休まないほうが早く良くなることは医学的に証明されています。

 腰痛があっても仕事を休む必要はないのです。

 もちろんぎっくり腰で、寝返りを打てないほど痛いときは仕事を休むしかありませんが、ある程度動けるようになったらすぐにでも仕事に復帰した方がいいのです。

 なので、私から腰痛の患者さんに仕事を休むように勧めることはありません。

 たまに勝手に仕事を休んであとから「休業補償」の書類を持ってくる患者さんがいます。

 そんなときは、

「仕事を休むと治りが悪くなるから、仕事を休む必要はありません。なので、明日からでも仕事に復帰してください。休業補償の書類は、今回だけは書きますが、次回からは書きません。」

 と説明します。

 こう説明すると、患者さんによっては、二度と来なくなります。

 私の説明に納得できなかったのか、元々休業補償が目的で腰痛を訴えていたのかどうかは知りませんけどね。

やけどした女の子のお母さんへの説明

2016.3.02 カテゴリー|湿潤療法

 小さい女の子がやけどしてしまった場合、お母さんは創が残ることをものすごく心配します。

 子供にやけどをさせてしまった自責の念も相まって、精神的に不安定になってしまうお母さんもいます。

 そんなときに私は、こんな説明をしていました。

 「大丈夫、多少創が残っても、それに対する治療も出来るので、心配ありません。大きくなって、AKBに入るころにはよく見なければわからないくらいの創になっている可能性が高いです。○○ちゃん、AKBに入りたい?」

 「う~ん、お花屋さんになりたい」

 「お花屋さんになるなら、もっと大丈夫だね。お母さんが必要以上に心配していると、子供の心によけいな創を残しちゃうから、そんなに心配しないでください」

 しかしこの説明だけでは、お母さんの不安や自責の念が消えませんよね。

 もっと、うまく説明する方法はないものかと考えておりましたら、

 

 今朝の夏井先生のウェブサイトに、こんなときに夏井先生がする説明が載っていました。

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0302-8

 傷跡がない子どもに育てることより大事なことがある。思いやりがある優しい子どもに育てること,誰からも好かれる性格のいい子どもに育てることだ。
 なぜかというと,親はほとんどの場合,子どもより先に死ぬからだ。親が死んだ後,自力で生きていける人間に育てることが親の最大の義務。
 多少傷跡があっても性格が良ければ助けてくれる人がいるが,傷跡は全くないのに性格が悪ければ誰も寄ってこないし,助けてもくれない。生きていく上で小さな傷跡があろうがなかろうがハンディにはならない。
 あなただって顔などに小さな傷跡の一つや二つはあると思う。それでも今の旦那様と出会えたし結婚もできたのだから,小さな傷跡はあなたの人生のハンディになっていないはずだ。それはこの子も同じ。
 最悪な親は,子どもの傷を見てはさめざめと泣いてばかりいる親。そういう親を見て,子どもは自分が悪いから親が泣いていると感じてしまう。それは子どもの精神衛生上よくない。だから,子ども前では傷跡が気になっても頑張って笑った方がいいと思う。

 そうそう、これです。

 こういうことをお母さんに伝えたかったのです。

 さすが夏井先生だなぁ。

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