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タバコはストレス解消にならない

2017.5.31 カテゴリー|その他

 「ストレス解消のためにタバコを吸っている。」と言って、いくら禁煙を勧めてもタバコをやめない人がいます。
 
 しかし、最近の研究で、喫煙はむしろストレスを増やしていることがわかりました。
 
 脳の活動を測る脳波検査でα波という波が検出されます。α波はリラックスしているときに増加して、ストレスがかかって緊張した状態では減少します。
 
 タバコに含まれるニコチンには急性作用として、このα波を増加する作用があります。
 
 しかし、喫煙を続けているとこの作用は減退し、喫煙者のタバコを吸っていないときのα波は、非喫煙者に比べむしろ少なくなっており、タバコを吸ってもα波はせいぜい非喫煙者と同じレベルに一時的に増えるだけです。
 
 つまり「タバコは、喫煙者本人も知らないうちに、日常生活から憩いや安らぎを奪っている。」と言えるのです。
 
 非喫煙者は、深呼吸をしたり、きれいな景色を見たり、おいしい食事を食べたり、好きな音楽を聴いたりするとα波がすぐに増えます。
 
 しかし、喫煙者ではほとんど増えません。
 
 たとえば、急に社長に呼び出されたなどの緊張する場面では、非喫煙者は無意識に深呼吸をして緊張を和らげますが、喫煙者はそれだけではリラックスできないので、ついタバコを吸ってしまいます。
 
 おいしい食事をしたときも、非喫煙者はα波がたくさん出るので、とても幸せな気持ちになりますが、喫煙者はそれだけではα波が出ないので、タバコを吸いたくなってしまいます。
 
 つまり、タバコが無ければ何をしても幸せな気持ちになれない体になってしまっているのです。
 
 そして、タバコのせいで非喫煙者よりストレスがたまりやすい体になっているのです。
 
 「ストレス解消のためにタバコを吸っている。」のではなく。
 
 「タバコのせいでストレスがたまりやすくなっていて、タバコを吸うことでストレスが解消されている様な気がしている。」だけなのです。
 
 喫煙者は全員ニコチン依存症という治療が必要な病気にかかっています。
 
 タバコを吸わないでいると、体内のニコチン濃度が低下して、イライラしてきてストレスを感じます。
 
 タバコを吸うとニコチン濃度が上がり、イライラが減りストレスがなくなったような感じがします。
 
 だから、タバコを吸うとストレスが解消されるような気がするのです。
 
 しかし、このニコチン切れによるストレスは、タバコを吸っていない人は一生感じることはない無駄なストレスです
 
 タバコは、癌や心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、肺気腫、動脈硬化症などあらゆる病気の原因になります。
 
 そして、唯一の利点と思われているストレス解消の効果も全くないのです。
 
 まさに「百害あって一利なし」なのです。

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