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犬や猫に噛まれたらすぐに病院に行きましょう

2017.10.24 カテゴリー|湿潤療法

こちらのニュースを見てください

韓国アイドルにかまれた女性死亡 敗血症とは

http://www.news24.jp/articles/2017/10/23/10376007.html

 韓国の人気アイドルグループ「SUPER JUNIOR」のメンバー・シウォンさん。自らのSNSにシウォンさんの家族が飼っているフレンチブルドッグの写真をたびたび投稿している。韓国メディアによると、この犬にかまれた女性が死亡していたことがわかった。

 犬にかまれた女性は同じマンションに住む韓国料理店の経営者。かまれてから6日後の今月6日、この傷が原因とみられる敗血症で死亡した。


 このアイドル、犬を放し飼いをしていたことをだいぶ叩かれているようです。

 もちろん犬を放し飼いにしてはいけません。犬の先祖はオオカミなんだから。

 でも、犬にかまれたからって、みんなが敗血症になるわけじゃありません。

 ではなぜ、この被害者は敗血症になってしまったのでしょう。

 文章には書かれていませんが、映像の中で同じマンションの人が

 「(今月6日の)朝に救急病院に運ばれるのを見た。その日の夜、息子さんから敗血性ショックで亡くなったと聞いた」と答えています。

 もしかしたら、被害者はたいした創じゃないとほっといて、創が感染を起こし敗血症になってしまってから救急病院に行ったのかもしれません。

 

 犬の牙にはたくさんのばい菌がくっついています。

 犬にかまれると、創の奥にそのばい菌が入り込みます。

 創の奥に血液や浸出液が貯まると、それを栄養としてばい菌が繁殖して最終的には敗血症になります。

 敗血症を予防するためには、創の奥に血液などが貯まらないようにドレナージをする必要があります。

 当院では、大きい創にはペンローズドレーン、小さい創にはナイロン糸を束ねたナイロンドレーンを留置しています。

 

 ドレーンを入れないで創をほっとくと、創が瘡蓋で閉じてしまい、創の奥に血液などが貯まり、感染を起こします。

 なので、犬や猫にかまれたらなるべく早く病院を受診してドレナージしてもらいましょう。

 

 たまに勉強不足の医師が、犬にかまれた創をドレーンを入れずに縫合してしまい感染症を起こしてしまった症例を見ることがあります。

 救急病院で創を縫われてしまったら、なるべく早く当院を受診してください。

 抜糸してドレーンを入れます。

 

 遠方で当院を受診できない方は、↓のウエブサイトから私と同じ治療をしている医師をさがして受診してください。

 http://www.wound-treatment.jp/dr/dr.htm

 

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