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大きく転位していた中学生の手首の骨折

2018.12.10 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

 中学生の男子

 自転車で転んで受傷しました。

 某総合病院の救急外来を受診してレントゲンを撮り、大きく転位した橈骨遠位部骨折を認めました。救急医が同院の整形外科医に電話で問合せをしたところ、「シーネ固定をして、明日近くの整形外科を受診するように説明してください。」と指示をうけました。

 救急医は指示通りシーネ固定して当院宛の紹介状を書いてくれました。

 翌日当院を受診しました。私は持参したレントゲンのコピーを見てびっくり!

 「すげぇずれてんじゃん。」

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 「骨折がすごくずれているので、局所麻酔をしてから整復します。うまく戻ればそのまま外固定で治療しますが、うまく戻らないときや、すぐにずれちゃうときは、手術が必要なのでもう一度某総合病院に紹介します。」と説明しました。

 血腫内ブロック(骨折部の内出血部に局所麻酔薬を注入して麻酔をかける方法)で麻酔をしてから、テレビレントゲンで確認しながら骨折を整復しました。

 それなりにうまく整復できたのでシーネ固定しました。

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 経過中、再転位することもなく3週間後のレントゲンで仮骨(骨折をくっつける新しい骨)が十分に形成されていたのでシーネを外しました。

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 私の腕がいいおかげでうまく治ったからいいけど、私が勤務医だったころにこんなひどい骨折を開業医に紹介したことは一度もないなぁ。

 というか、救急外来に骨折の患者さんが来たと当直医から相談を受けて、電話で済ませたことは一度もなかったと思います。必ず、病院に駆けつけて自分で治療しました。当時はそれが当たり前だと思っていたし、自分がすぐに駆けつけることで、自分自身が困ったときに、内科や外科の先生にすぐに来てもらえるからです。

 某総合病院のような大きな病院の救急外来の仕組みは、私がいたような中規模の病院とは違うのでしょうね。

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