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上腕骨顆上骨折の治療例

2019.2.18 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

 6歳の女の子

 遊具から落ちて受傷して、すぐに当院を受診しました。

 初診時の右肘のレントゲン(正面像)

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 初診時の右肘のレントゲン(側面像)

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 肘関節の少し上(上腕骨顆上部)で骨折していて、後ろ側と内側にずれています。

 「肘の骨が折れていてずれています。このままだと曲がってくっついちゃって支障を残すので、局所麻酔をかけてから整復します。うまく整復できないときや、整復してもすぐにずれてしまうときは手術が必要なので、そのときは県立中央病院に紹介します。」と説明しました。

 血腫内麻酔をしてから、テレビレントゲンをみながら骨折を整復しました。肘を深く曲げるといい位置に整復できたのでそのままシーネで固定しました。

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 子供の肘の骨折の合併症に、フォルクマン阻血性拘縮があります。

 フォルクマン阻血性拘縮とは、骨折部から出た出血が前腕の筋肉の中に溜まって、筋肉の血の巡りが悪くなり筋肉が壊死してしまう恐ろしい合併症です。

 フォルクマン阻血性拘縮のなり始めには前腕の筋肉にものすごい痛みが出ます。

 なので、「後から、痛み止めを飲んでも大泣きするぐらい痛がったら救急車を呼んでください。」と説明しました。

 

 幸い、痛みが出ることもなく、再転位することもなく順調に経過しました。

 4週間後のレントゲンです。正常な位置でくっつきました。肘の動きもほとんど問題ありません。

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 上腕骨顆上骨折は少し曲がってくっついただけでも、深刻な変形と後遺症を残すことがあるので、うまく治せて良かったです。

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