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ティファールの電気ケトルは危険!

2019.2.22 カテゴリー|湿潤療法

 50代の男性

 ティファールの電気ケトルの電気コードが足に引っかかって、電気ケトルがひっくり返って熱湯が左上肢にかかってやけどをした患者さんです。

 受傷当日は某病院の救急外来を受診して軟膏による処置を受け、翌日当院を受診しました。

 左上腕の半分と左肘から手首の大部分に水疱が出来ていました。

 水疱膜を可及的に除去して穴あきポリ袋とペットシートによる治療を開始しました。

初診時(水疱膜除去後)

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治療3日後

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治療10日後

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治療17日後

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無事に上皮化しました。

しばらくは乾燥を防ぐためにワセリンを塗ってもらうように指導して治療を終了しました。

 

ティファールの電気ケトルは非常に危険です。

日本製の電気ポットと違って、電気コードが本体から外れない構造になっているので、電気コードを引っ張ると本体がひっくり返って熱湯が飛び出してきます。

そもそもケトル(kettle)を日本語に訳すとヤカンです。

ヤカンが危険なものであることは小学生でも知ってます。

かっこつけて電気ケトルなんて呼ばずに、電気ヤカンと呼ぶようにすればみんなもう少し危険性に気づいてくれるかもです。

「なつい式湿潤療法」をやってます。

2019.1.24 カテゴリー|湿潤療法

 当院の湿潤療法は「なつい式」です。

 なつい式湿潤療法の条件は以下の通りです。

①創面の消毒など
 ・水道水洗浄する。
 ・熱傷,一般外傷を問わず傷の消毒はしない。感染創であっても消毒しない。
 ・創面をボディーソープなどの界面活性剤で洗わない。
②創面の被覆
 ・創面を乾燥させない創傷被覆材(ハイドロコロイド被覆材,プラスモイスト®,ズイコウパッド®,ハイドロサイト®など)で創面を覆う。
 ・浸出液の量により被覆材を選択する(例:浸出液が多い場合は吸収力の高いズイコウパッド®,プラスモイスト®,ハイドロサイト®などを選択)。
 ・以下のような,通気性が高く,基本的に単独使用では創面を乾燥させる治療材料は使用しない。
 (ガーゼ、ソフラチュール®,シリコンガーゼ、メロリンガーゼ®、その他の通気性のある治療材料)
③外用剤
 ・使用する外用薬はワセリン(プロペト®)と油脂性基剤の外用薬(ステロイド軟膏,ゲンタシン軟膏®など)のみ。
 ・消毒薬と消毒液を含む外用剤(イソジンゲル®,カデックス軟膏®,ユーパスタ®など)は絶対に使用しない。
 ・クリーム基剤の外用薬(ゲーベンクリーム®,エキザルベ®,ヒルドイドソフト®など)は絶対に使用しない。
 クリーム基材の外用薬は合成界面活性剤を含むため,創面に塗布すると細胞膜を破壊し,傷を深くする。すなわち,クリーム基材の外用薬は化学的・生物学的には創面破壊薬である。
 ・フィブラストスプレー®は絶対に使用しない(患者に拷問級の激痛を与え,治療効果も疑わしいため)。
④創感染した場合の対処
 ・消毒薬,消毒薬含有外用剤は使用しない。
 ・抗生剤を投与(経口投与,点滴)する。
 ・感染源(熱傷水疱,壊死組織,異物など)を見つけて除去する。

 当院の湿潤療法は上記条件を満たしているので「なつい式」です。

 なんちゃって湿潤療法ではないので、安心して受診してください。

爪が剝がれた4歳の男の子

2018.10.29 カテゴリー|湿潤療法

 4歳の男の子

 何か(詳細不明)にはさんで右人差し指の爪が剥がれて当院を受診しました。

 受診の状態、爪が剥がれて出血していました。ヘモスタパッドを当てました。

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 翌日の状態、出血は止まっていました。ヘモスタパッドを当てました。

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 受傷3日目の状態、うっすらと新しい爪が形成されて来ています。プラスモイストを当てました。

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 受傷6日目の状態、薄い爪が出来たので、治療を終了しました。

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 爪を剥がしても湿潤療法をすれば、すぐに爪が出来ますよ。

左手のすごいヤケド

2018.5.11 カテゴリー|湿潤療法

 60歳の男性

 天ぷらを揚げていたフライパンをひっくり返して左手に油をかけてしまい受傷しました。

 その日は近くの病院で応急処置を受けて、翌日当院を受診しました。

 初診日の左手 水疱がたくさん出来ていたので、可及的に切除しました。

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 そのまま、穴あきポリ袋をかぶせて、ペットシートでくるみました。

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 浸出液が多かったので、家でペットシートだけ交換してもらうように指示しました。

 4日後の左手

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 11日後の左手

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20日後の左手

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 きれいに治りました。

キズにイソジンシュガーとか使っちゃ絶対ダメだよ

2018.4.04 カテゴリー|湿潤療法

 60歳男性

 栗の木の剪定をしていて枝が落ちてきて、左手の甲を切りました。昔にケガしたときのもらった軟膏が家にあったのでそれを塗っていましたが、10日経っても良くなるどころかだんだんひどくなってきたので当院を受診しました。

 受診時のキズの写真です。

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 キズの周りの皮膚が茶色く変色していて、キズの中には溶けたさとうのようなものが入っていました。

 軟膏はイソジンシュガー(ユーパスタ)だと思われます。

 イソジンシュガーは、消毒薬のイソジンと砂糖を混ぜた軟膏です。

 砂糖は水をたくさん吸収するので、イソジンによる消毒して砂糖でキズを乾燥されることが目的の軟膏です。

 湿潤療法とは真逆の考え方で作られている大昔からある軟膏のひとつです。

 

 消毒も乾燥も、傷の治療にとっては邪魔でしかないので、創はどんどん深くなってしまいました。

 イソジンシュガーをきれいに取り除くと、キズは皮膚潰瘍を形成していました。

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 ヘモスタパッド、プラスモイストDC、ハイドロコロイドなどを使って湿潤療法を行いました。

 10日後にはきれいに治りました。

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 キズにイソジンシュガーとか使っちゃ絶対ダメだよ。

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