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医学部では傷の治療について教えてくれない

2017.11.10 カテゴリー|医療に関する迷信

 先日、笠間市の夜間診療所で当番医をしたときのことです。

 筑波大学医学部の5年生の学生さんが2人、見学に来ていました。

 患者さんが来れば、レントゲンや血液検査などができない状況での、診察や治療のやり方を見せてあげることができるのですが、残念ながら(?)患者さんが一人も来なかったので、代わりに医師の先輩として偉そうにいろいろ語りました。

 「医学は日々進歩しているので、先輩のいうことや教科書に書いてあることを鵜呑みにせず、自分で考えて新しい治療をどんどん取り入れなければいけない」という話をする中で「湿潤療法について知ってる?」と聞いたら、二人とも「知りません」と答えていました。

 「創は消毒しないで乾かさないほうが早くきれいに治るんだよ。」と説明したら、二人とも驚いていました。

 今の若い医師の間では湿潤療法が主流になっていると勝手に思い込んでいたので、こっちが逆に驚きました。

 

 でも、よく考えたら、医学部の学生さんが湿潤療法について知らないのは仕方がないんですよ。

 だって、医学部では傷の治療について、何一つ教えてくれませんから。

 だから医学生の傷の治療に対する知識は一般人と同じレベルです。

 今回の学生さん達にも、「暇があったら「湿潤療法」でググってみてね。」って言ったけど、ググったかなぁ。

 ググっているようなら見込みがあるね。

犬や猫に噛まれたらすぐに病院に行きましょう

2017.10.24 カテゴリー|湿潤療法

こちらのニュースを見てください

韓国アイドルにかまれた女性死亡 敗血症とは

http://www.news24.jp/articles/2017/10/23/10376007.html

 韓国の人気アイドルグループ「SUPER JUNIOR」のメンバー・シウォンさん。自らのSNSにシウォンさんの家族が飼っているフレンチブルドッグの写真をたびたび投稿している。韓国メディアによると、この犬にかまれた女性が死亡していたことがわかった。

 犬にかまれた女性は同じマンションに住む韓国料理店の経営者。かまれてから6日後の今月6日、この傷が原因とみられる敗血症で死亡した。


 このアイドル、犬を放し飼いをしていたことをだいぶ叩かれているようです。

 もちろん犬を放し飼いにしてはいけません。犬の先祖はオオカミなんだから。

 でも、犬にかまれたからって、みんなが敗血症になるわけじゃありません。

 ではなぜ、この被害者は敗血症になってしまったのでしょう。

 文章には書かれていませんが、映像の中で同じマンションの人が

 「(今月6日の)朝に救急病院に運ばれるのを見た。その日の夜、息子さんから敗血性ショックで亡くなったと聞いた」と答えています。

 もしかしたら、被害者はたいした創じゃないとほっといて、創が感染を起こし敗血症になってしまってから救急病院に行ったのかもしれません。

 

 犬の牙にはたくさんのばい菌がくっついています。

 犬にかまれると、創の奥にそのばい菌が入り込みます。

 創の奥に血液や浸出液が貯まると、それを栄養としてばい菌が繁殖して最終的には敗血症になります。

 敗血症を予防するためには、創の奥に血液などが貯まらないようにドレナージをする必要があります。

 当院では、大きい創にはペンローズドレーン、小さい創にはナイロン糸を束ねたナイロンドレーンを留置しています。

 

 ドレーンを入れないで創をほっとくと、創が瘡蓋で閉じてしまい、創の奥に血液などが貯まり、感染を起こします。

 なので、犬や猫にかまれたらなるべく早く病院を受診してドレナージしてもらいましょう。

 

 たまに勉強不足の医師が、犬にかまれた創をドレーンを入れずに縫合してしまい感染症を起こしてしまった症例を見ることがあります。

 救急病院で創を縫われてしまったら、なるべく早く当院を受診してください。

 抜糸してドレーンを入れます。

 

 遠方で当院を受診できない方は、↓のウエブサイトから私と同じ治療をしている医師をさがして受診してください。

 http://www.wound-treatment.jp/dr/dr.htm

 

味噌汁でやけどした男の子

2017.10.17 カテゴリー|湿潤療法

 朝ご飯の味噌汁のお椀をひっくり返して、受傷しました。

 家の近くの○○メディカルセンターで処置をしてもらい、ネットでググって2日後に当院を受診しました。

 

 初診時

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 胸からお腹にかけて2度の熱傷を認めました。

 浸出液が多かったのでモイスキンパッドを当てました。

 

 治療開始1日後

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 やはり浸出液が多かったので、自宅でモイスキンパッドを交換するように説明しました。

 

 治療開始4日後

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 上皮化してきて、浸出液がほとんどなくなったので、ハイドロコロイドに変更しました。

 

 治療開始7日後

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 かなり良くなっています。引き続きハイドロコロイドを貼ってもらいました。

 

 治療開始10日後

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 完全に上皮化しました。創の赤みは3~6ヶ月くらいで目立たなくなり、将来的にはほとんどわからなくなることを説明して、治療を終了しました。

 

 味噌汁でやけどする小さい子がたくさんいます。

 日本人だからって、毎朝味噌汁を飲まなきゃいけないわけじゃないからね。

 だから小さい子がいるおうちは、味噌汁を作らないほうがいいと思うよ。

 ちなみに私は、そもそも朝飯を食ってないので、味噌汁はほとんど飲まないよ。

アイロンでやけどした1歳児

2017.9.25 カテゴリー|湿潤療法

 床に置いてあったアイロンのスイッチを自分で入れて、太ももに触ってやけどした1歳の男の子

 受傷後すぐに当院を受診しました。

 初診時 浅い2度の熱傷と診断しハイドロコロイドで覆いました。

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 受傷2日目、浸出液が多かったのでプラスモイストDCに変更しました。

 2日目のよるから38度台の高熱が出たので抗生剤内服を開始しました。

 抗生剤内服後、熱は速やかに下がりました。

 受傷1週間後、新しい皮膚ができて浸出液も減ったのでハイドロコロイドに戻しました。

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 受傷10日後、きれいに治りました。新しい皮膚の乾燥を防ぐためにしばらくはワセリンを塗ってもらうように指導しました。

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 新しいデジカメを買ったので、久しぶりにやけどの症例をアップしました。

かわいい赤ちゃんのホッペのやけどのその後

2017.9.04 カテゴリー|湿潤療法

4月に上げた記事

可愛い赤ちゃんのホッペのやけど

http://www.nishibori-seikei.com/blog/2017/04/post-676.html

 

この赤ちゃんが久しぶりに受診してくれました。

受傷から約半年でこんなにきれいに治りました。

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浅いやけどは最初から湿潤療法で治療するば、ほとんどの場合このくらいきれいに治ります。

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