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キズにイソジンシュガーとか使っちゃ絶対ダメだよ

2018.4.04 カテゴリー|湿潤療法

 60歳男性

 栗の木の剪定をしていて枝が落ちてきて、左手の甲を切りました。昔にケガしたときのもらった軟膏が家にあったのでそれを塗っていましたが、10日経っても良くなるどころかだんだんひどくなってきたので当院を受診しました。

 受診時のキズの写真です。

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 キズの周りの皮膚が茶色く変色していて、キズの中には溶けたさとうのようなものが入っていました。

 軟膏はイソジンシュガー(ユーパスタ)だと思われます。

 イソジンシュガーは、消毒薬のイソジンと砂糖を混ぜた軟膏です。

 砂糖は水をたくさん吸収するので、イソジンによる消毒して砂糖でキズを乾燥されることが目的の軟膏です。

 湿潤療法とは真逆の考え方で作られている大昔からある軟膏のひとつです。

 

 消毒も乾燥も、傷の治療にとっては邪魔でしかないので、創はどんどん深くなってしまいました。

 イソジンシュガーをきれいに取り除くと、キズは皮膚潰瘍を形成していました。

12290b.jpg

 ヘモスタパッド、プラスモイストDC、ハイドロコロイドなどを使って湿潤療法を行いました。

 10日後にはきれいに治りました。

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 キズにイソジンシュガーとか使っちゃ絶対ダメだよ。

ヤケドの治療にはかなり自信があるんだけどね

2018.1.23 カテゴリー|湿潤療法

 痛風などで10年くらい当院に通院している60代の男性

 先月、湯たんぽで低温やけどになり、当院を受診しました。

 低温やけどなので3ヶ月から半年くらいかかること、後から皮膚が壊死して悪化したように見えること、壊死した皮膚の下にばい菌が入って化膿したら壊死した皮膚を切開しなければいけないことなどを説明し、穴あきポリ袋を使用して自宅で処置する方法を教えました。

 腫れて痛くなったら飲むようにと抗生剤も処方しました。

 5日後に痛みが強くなったと受診しました。壊死組織を切開して、抗生剤を飲んでもらいました。

 翌日再診してもらいました。壊死組織は白く溶けてきていて、痛みも改善してきたので、同じ処置を続けてもらい3日後に受診するように説明しました。

 

 

 

 

 しかし、来院しませんでした。

 

 

 

 そして1ヶ月後、痛風の薬をもらいに来ました。

 ヤケドのほうはどうなっているかと聞いたら

 「ここ(にしぼり整形外科)は専門じゃないから、専門の○○皮膚科に通っている。」

 って、言われちゃった。

 あきれて「あっそうすか。」しか答えられませんでした。

 何かガーゼに白い軟膏がついていて包帯でぐるぐるまきにされていたけど、もうどうでもいいや。

 

 私、ヤケドの治療にはかなり自信があるんですけどね。夏井先生に太鼓判をいただいているし・・・

 トリガーポイント注射にも自信があるけど、痛みは目に見えないから、治ったかどうか患者さん本人しかわからないでしょ。

 でも、ヤケドは目に見えるから、うまく治せているなぁという実感があるんですよね。

 10年も通っている患者さんに専門じゃないとか言われるとがっかりしちゃうよ。

 ブログだけじゃなく、当院のパンフレットや、月1回発行している「にしぼり整形外科新聞」にも湿潤療法について書いているんだけどな。

 なんだか切ないよ。

 

関連ブログ 夏井先生から太鼓判をもらいました

http://www.nishibori-seikei.com/blog/2016/11/post-641.html

小さいこどものやけどの原因(拡散希望)

2017.12.08 カテゴリー|湿潤療法

今朝、夏井先生がウェブサイトで乳幼児の熱傷の原因についてまとめてくれたので紹介します。

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#1208-3

【飲食物による熱傷が多数を占める】
テーブルの上の味噌汁,コーヒー,紅茶などは子どもにとっては全て凶器となります。
「手が届かないと思って置いていた」と後悔される親御さんが多いです。「手が届かない範囲はない」と考えるべきです。子どもは触りたいと思ったらどんな手段を使ってでも手を伸ばして,ひっくり返します。
「手が届かない高さだと思って油断していた」という反省も多いです。つかまり立ちが始まると,手が届く高さが日毎に増していきます。乳児を甘く見てはいけません。
【炊飯器の蒸気,加湿器の蒸気】
子どもの手が届く高さにある炊飯器,加湿器は凶器です。
従来型の軟膏ガーゼによる熱傷治療では,水蒸気熱傷はあっという間に深くなり,植皮まっしぐらです。
【ティファール電気ケトルとその類似商品】
極めて危険な凶器です。
受傷パターンとして多いのは「テーブル・キッチン台の上でお湯を沸かしていて,子どもがコードを引っ張って落とす」です。ティファールはコードと台が一体型のため,コードを引っ張ると台も一緒に動き,しかも本体にストッパーがないものが多いため,広範囲熱湯となります。日本の家屋は電源コンセントが低い位置にあるためです(ヨーロッパではコンセントが高い位置にあるため,同様の事故は起きていないそうです)。
【ウォーターサーバー】
ストッパーなしで熱湯が出るタイプは凶器。
【ヘアアイロン】
パターンとして多いのは「使い終わったヘアアイロンを手が届かない所に置いていたのに,子どもがコードを引っ張って落とし」が大半。
【アイロン】
パターンとして多いのは「アイロンを使っている時に来客(電話)があってちょっと目を離したスキに子どもが」が多いです。

 小さなこどもは好奇心旺盛で怖いもの知らずなので、何でも手を出してしまいます。

 だから「熱いものを家におかない」が小さい子供のやけどの予防の基本です。

 味噌汁やコーヒーや紅茶は飲まなくても生きていけるので、こどもが小さいうちは家で飲まない。

 炊飯器や加湿器は1メートル以上高いところにおく。

 ティファールの電気ケトルは使わない。

 ウォーターサーバーの冷水だけにして熱湯は出ないように設定する。

 ヘアアイロンは使い終わったらすぐにコードを抜いて高いところにしまう。

 アイロンも使用中は絶対に目を離さず、使い終わったらすぐにコードを抜いて高いところにしまう。

 

 とにかく、小さなこどもにとっては「熱いものはすべて危険物」です。

 ばあちゃんちに遊びに来ていてやけどするこどももよくいます。

 正月に孫が遊びに来る前に、熱いものをなくす工夫をしましょう。

最高血圧130以上で高血圧なんだとよ

2017.11.27 カテゴリー|医療に関する迷信

高血圧の新基準、最高140を130に 改善必要な「黄信号」 米ガイドライン

http://www.afpbb.com/articles/-/3150432

米国心臓協会(AHA)は13日、高血圧の診断基準について、これまでの140(最高血圧)/90(最低血圧)mmHgよりも低い130/80 mmHgとし、血圧がこの数値に達した時点で治療を開始すべきとの再定義を発表した。

従来の基準値では米国民の約3分の1に当たる32%が高血圧と見なされていたが、新たな基準値では国民の半数近い46%が高血圧と定義されることになる。


 米国民の半数近くが高血圧って・・・・

 半数の人がかかっているなら、もうそれは病気じゃなくて正常な状態なんじゃないの?

 先日の講演会で林先生は「入院してきた高齢の患者さんの血圧の薬を中止すると、みんな元気になる。でも退院してまた血圧の薬を飲み始めるとまた元気がなくなる」とおっしゃっていました。

 一般的に、血圧が高くなると動脈硬化が進んで、脳卒中などの危険が高くなるから血圧を下げなければいけないと考えられています。

 でも、これもコレステロールの話と同じで原因と結果が逆になっているんじゃないでしょうか?

 老化や喫煙、糖質のとりすぎ、肥満などが原因で血管が硬くなって、血管の通りが悪くなるから、脳や消化管、筋肉などの臓器に血液を届けるために心臓ががんばって働いて血圧を上げるのです。

 それなのに、薬で血圧を下げちゃったら臓器に血液が行渡らなくなって元気もなくなりますよ。

 老化はどうしようもありませんが、禁煙して糖質制限をして、加圧トレーニングをして肥満を解消すれば、動脈硬化を防ぐことができます。

 

 私が医学生だった頃は最高血圧160以上で高血圧と診断されていました。

 1993年から最高血圧140以上の人を境界型高血圧と診断されるようになりました。

 2004年、日本高血圧学会は、診療指針を改定し、65歳以上の高齢者については、「降圧目標値」(下げるべき数値)を従来のグレーゾーンの「140~160」から「140未満」に引き下げました。ところが、奇妙なことに、この診療指針には「この目標値が妥当かどうか、現在のところエビデンス(証拠)がない」と書かれているそうです。

 証拠がないのに基準を厳しくするとか怪しくね。

 血圧の薬を売るために、製薬会社に対して学会の偉い先生が忖度してんじゃないの?

 

 とりあえず、血圧が160以下で特に症状もなければ血圧の薬を飲まなくてもいいと思うよ。

医学部では傷の治療について教えてくれない

2017.11.10 カテゴリー|医療に関する迷信

 先日、笠間市の夜間診療所で当番医をしたときのことです。

 筑波大学医学部の5年生の学生さんが2人、見学に来ていました。

 患者さんが来れば、レントゲンや血液検査などができない状況での、診察や治療のやり方を見せてあげることができるのですが、残念ながら(?)患者さんが一人も来なかったので、代わりに医師の先輩として偉そうにいろいろ語りました。

 「医学は日々進歩しているので、先輩のいうことや教科書に書いてあることを鵜呑みにせず、自分で考えて新しい治療をどんどん取り入れなければいけない」という話をする中で「湿潤療法について知ってる?」と聞いたら、二人とも「知りません」と答えていました。

 「創は消毒しないで乾かさないほうが早くきれいに治るんだよ。」と説明したら、二人とも驚いていました。

 今の若い医師の間では湿潤療法が主流になっていると勝手に思い込んでいたので、こっちが逆に驚きました。

 

 でも、よく考えたら、医学部の学生さんが湿潤療法について知らないのは仕方がないんですよ。

 だって、医学部では傷の治療について、何一つ教えてくれませんから。

 だから医学生の傷の治療に対する知識は一般人と同じレベルです。

 今回の学生さん達にも、「暇があったら「湿潤療法」でググってみてね。」って言ったけど、ググったかなぁ。

 ググっているようなら見込みがあるね。

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