2018.2.02 カテゴリー|医療に関する迷信
6歳の男の子
今朝から右太ももとふくらはぎが痛いと言っているので、お母さんが連れてきました。
大腿四頭筋と腓腹筋に張りと圧痛を認め、話を良く聞くと保育園で縄跳びの練習を一生懸命やっているそうです。
「縄跳びのやり過ぎによる筋肉痛ですね。」と説明したら、お母さん
「え~~~、子供も筋肉痛になるんですか~~~。」だって、
子供だって筋肉痛になるよ。
筋肉がしなやかで回復力が高いから大人よりはずっとなりにくいけどね。
当院がある地域の保育園や幼稚園ではこの時期に縄跳び大会を行うので、園児たちは一生懸命練習をしてます。
寒い中で同じ筋肉をずっと使い続ければ子供だって筋肉痛になります。
だからこの時期に、筋肉痛の小さいこどもがたくさんきます。
子供たちにとっては生まれて初めての筋肉痛だから、びっくりして大騒ぎします。
それを見てお母さんたちは、まさか筋肉痛だとは思わないので、これまたびっくりして大騒ぎ。
あわてて当院に連れてきたら、筋肉痛と言われてまたびっくりして安心する。
というパターンがこの時期に外来で繰り広げられます(笑)。
子供の筋肉痛は数日安静にすれば治ります。
数日安静にしても治らないときは、骨腫瘍などの可能性もあるので念のためレントゲンを撮ります。
2018.2.01 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
2018.1.16 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
1月11日に当院の問い合わせフォームに宮崎県在住の方から鎖骨骨折に対する質問をいただきました。
鎖骨バンドのきちんとした付け方も知らないで手術ばっかり勧める整形外科医が多くて困るよ。
私は整形外科医になって最初の研修先だった保原中央病院の佐藤伸一先生に、鎖骨骨折の保存療法のやり方をみっちり教えてもらったので自信があります。
しかし、ほとんどの整形外科医は手術重視で保存療法は誰でもできると馬鹿にして勉強しないので、結果的に保存療法が下手くそになります。
佐藤伸一先生には、鎖骨骨折だけじゃなく様々な骨折の保存療法のやり方を教わったので、ギプスやシーネの巻き方にも自信があります。
街で下手くそなギプスを巻かれている人を見かけると、患者さんが気の毒でイラッとします。
「当院にくればいいのに」と思うけど、声かけたりしませんよ。
不審者と思われて通報されたら困るので・・・
現在、佐藤伸一先生が開業しているクリニック
2017.11.17 カテゴリー|その他
最近、ムカッときた患者の一言
①腰痛の40代男性
「先週の月曜日から腰が痛くて、2日間接骨院に通った。今日もかかろうとしたら休みだったから、ここに来た。」だって
ムカッときて「そんなこと言われたら、すげえモチベーションが下がる。」って言っちゃった。
「先週から腰痛があって、接骨院にかかったけど良くならないから、ここに来た。」
って言ってくれれば、「よっしゃ、じゃあ、俺が治してやる!」ってすごくやる気が出るのにね。
②捻挫で受診した中学生(バスケ部)
いつものように3日間シーネ固定をしようとしたら、
「コーチから固定はしないほうがいいと言われた。」だって。
ムカッときて「今まで捻挫の治療を1万人以上やっているのに、なんで素人のコーチに指図を受けなきゃいけないんだ!」って言っちゃった。
1万人はちょっと大げさですね、5千人くらいだと思う。
シーネ固定して、3日後に受診するように話したけど、来なかった。
コーチの指示で勝手にシーネ外しちゃったのかもね。
3日で治る捻挫が、1ヶ月とか半年とかかかるかもしれないけど、仕方ないね自己責任だから。
③手首の腱鞘炎の高校生(野球部)
1ヶ月半前から左手首痛があり、某総合病院で腱鞘炎とTFCC損傷と診断され、痛みが取れるまで安静にするように言われました。
その3日後に当院を受診。TFCC損傷はなく、腱鞘炎だけだったので、「腱鞘炎だから、注射すればすぐに野球ができるようになるよ。」って説明したら、
「野球部のトレーナーから注射はしないで手首を固定してもらうように言われたから固定してください。」だって
ムカッときて「だったらトレーナーに治してもらえ。」って言っちゃった。
腱鞘炎は固定したって治らないし、TFCC損傷も急性期は1週間くらい固定するけど、1ヶ月半も経っていたら固定しても意味ない。
かえって、筋肉が弱くなって治りにくくなるよ。
それだけ、説明して固定はしないといったら、帰っちゃった。
別にいいけどね。
俺にだってプロとしてのプライドがあるからね。
そこを傷つけられると、ムカッときちゃうよね。
2017.7.28 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
80代の女性
認知症があり施設に入所中
椅子から転落して受傷しました。
初診時のレントゲンで左上腕骨外科頚骨折を認めました。
転位も軽かったので、手つり固定だけで保存的に治療することにしました。
しかし、認知症があるため、手つり固定はすぐに外してしまったようです。
2週間後のレントゲンで骨折は大きく転位してしまいました。
ここまでずれちゃうと普通はもうくっつかないので、手術の適応ですが、以下のように家族に説明して納得してもらいました。
「ここまでずれちゃうと骨はくっつかないので普通は手術が必要です。しかし、高齢だし、認知症があるので手術は危険です。骨がくっつかないと腕は上がらなくなりますが、時間が経てば折れた骨の角が丸くなって痛みは無くなります。なのでこのまま様子をみましょう。」
さらに2週間後、再診してもらいました。
施設の職員の話では、ほとんど痛がらなくなったというのです。
レントゲンを撮ると、なんと仮骨ができて骨がくっついていました。
びっくりです!
曲がってくっついたので、左肩は70度くらいまでしか上がりませんが、元々食事や着替えは全介助だったので特に支障はないようです。
でも、若くて元気な人は手術しなきゃダメですよ。